寺治爽子
合鍵
「弾き語りであり、弾き語りではない。」と評され、文学性の高い言語感覚と、聴く者どころか自らをも抉る繊細かつ破滅的なピアノ演奏を特徴とする寺治爽子(てらちさわこ)のデビュー作『合鍵』発売。
寺治爽子の持つ文学性の高い言語感覚と、聴く者をどころか自らをも抉る繊細かつ破滅的なピアノを組み合わせたデビュー作。哀しみに溺れ、弔い怒り、日々喜びと幸せを探す。そんな楽曲は猟奇的であっても儚さを感じる世界観で聴く者を離さない。彼女は自身の楽曲を「或る少女の物語であり、遺書である。」と語っている。彼女は弾き語りでありながら、衝撃的なまでに「弾き語り」という枠組みを壊す。それはラウドロック、ゴシックロック、メロディックデスメタル、北欧トラッドに影響を受けた彼女ならではの為せる業。表題曲「合鍵」に代表される燃えるようなナンバーから、「雨音」「最果て」といった風の音が聞こえてきそうな落ち着きのあるナンバーまで収録されている濃密さからは、構成力の高さを感じさせる。サウンドプロデューサーに実験的アプローチのピアノサウンドを得意とするTia Rungrayを迎え、彼女の世界観を格調高い音響空間の中に拡げることに成功しているのも傑作たらしめている要因だろう。だがそこには彼女自身のピアノ演奏における表現力の高さが、寺治爽子に唯一無二の立ち位置を与える重要な役割を担っていることは言うまでもない。
1.エチゾラム
2.シオン
3.雨音
4.最果て
5.精霊流し
6.合鍵
7.20140604
[release]2019/07/10
[price]¥1,800+tax
[format]CD
[cat]CB-024
[genre]邦楽/J-INDIES